無線室の仕事ってどんな仕事?

タクシーの無線室の仕事と聞いて、イメージできる方は少ないのではないでしょうか?普段日常で見かけるのは乗務員(運転手)であり、無線室で働く人は見たことがないことでしょう。しかし、無線室のオペレーターがいないと、タクシー乗務員は利用者のところへは辿り着けないほど、無線オペレーターの仕事は重要で責任感があります。 今回は東京日本交通グループの無線室オペレーターの仕事内容や無線のしくみ、無線オペレーターに向いている人などについて紹介します。

タクシーの無線室とは?

タクシーの無線室で働く人を無線オペレーターといいます。無線オペレーターの業務内容や必要資格などを紹介していきます。

・業務内容
無線オペレーターの仕事内容は、利用者からの電話予約を受け、無線設備やコンピューターを操作し、乗務員に伝えることです。

電話での応対は、迅速にタクシーを向かわせるために、簡潔で正確な住所をお客様から聞き出さなければいけません。現在は携帯電話の普及により、お客様が正確な住所を把握できていない場合が多々あります。

その際、お客様の現在地を正確に知るためには、身近な建物を聞き出したりすることも重要になります。

また地理についても、ある程度理解しておかないと、仕事に差し支えが出ることもあるので、近辺の地理に詳しいことも無線オペレーターでは大事な要因です。

お客様からの配車依頼で住所や氏名などの情報を聞き出すと、パソコンを操作し、空いている車両に配車指示を出します。

車両に情報を送信した後に、乗務員が「了解」ボタンを押して指定の住所に向かい、お客様を乗せると配車完了です。

会社や部署によって回数は違いますが、一日1000回以上の配車依頼の応対をすることもあります。

・ 必要資格
無線オペレーター自身には資格は必要ありません。しかし無線を扱う場合は「第三級陸上特殊無線技師」という免許が無線室で一人必要になります。

これは電波法という法律で定められています。長期的に無線オペレーターとして働く場合は取っておいたほうがいい資格でしょう。

・ 雇用形態
無線オペレーターの雇用形態は正社員、アルバイト、パートなど様々です。主婦の方や学生など様々な人達が働いています。

・ 勤務時間
無線オペレーターの勤務時間は、社員の場合は24時間の交代制で、アルバイト・パートの場合はシフト制で、人それぞれといったところです。

無線室は24時間稼働しており、夜中からのお客様の配車依頼にも応えられるように、常に万全の状態にしています。

・収入
無線オペレーターの収入は正社員の場合は、低い場合だと月給15万円から高い場合は月給45万円と様々です。タクシー会社や勤続年数によって収入は変わります。

アルバイトの場合は低い場合は関東では時給1000円から高い場合は1500円、関西では900円~1300円あたりが相場のようです。

乗務員は歩合制が多い中、無線オペレーターの給料は固定給になりますので、収入に関しては安定しているのが特徴です。

・やりがい
無線オペレーターのやりがいは、お客様に満足してもらい、お礼の言葉や、感謝の言葉を聞けるときでしょう。

またスムーズに配車できたときにやりがいを感じる方も多いようです。無線配車タクシーは、地域密着の交通インフラとして、社会に貢献していると実感するところもやりがいの一つです。

タクシー無線について

タクシー無線とは、タクシーに搭載されている無線機のことです。タクシー無線の仕組みや時代背景などについて紹介します。

・タクシー無線の仕組み
現在のタクシー無線は、AVMとGPSを連携した「GPS-AVM」というシステムで運用されています。

AVMとはAutomatic Vehicle Monitoring Systemの略称で、移動する車の位置などをモニター可能にするシステムのことです。

GPSとはGlobal Positioning Systemの略称で、地球上の現在地を人工衛星からの電波で測るシステムです。携帯電話のマップ機能などでもお馴染みなので、知っている方も多いことでしょう。

「GPS-AVM」システムにより走行中のタクシーの位置、状態、進行方向などの情報をもとに最適なタクシーを自動で検索し、配車指示を送ることが可能となっています。

従来のアナログ無線に比べ、時間短縮、効率化を実現した画期的なシステムです。

・タクシー無線の時代背景
タクシー無線の時代背景を時系列で紹介します。

・1953年タクシー無線誕生
1953年にタクシー無線機が生れました。この時代の無線機は音声で乗務員と連絡をとるシステムでアナログ無線とも言われています。

・1970年代AVMシステム導入
AVMシステム導入により、タクシーがどの場所にいるのか把握できるようになりました。
効率化が上がり、スムーズに配車できるようになっています。

・2003年デジタルタクシー無線導入
デジタルタクシー無線が導入され、配車業務が高度化し、従来よりスムーズでスピーディな配車が可能になりました。

また、音声をデジタル信号に変えるコーデックソフトが変更され、高音質でのコミュニケーションが実現しました。

・近代のタクシー無線
近代のタクシー無線はスマートフォンの普及により、配車アプリでタクシーを呼ぶことが広まりつつあります。

配車アプリは、スマートフォンの位置情報を元にオペレーターを介せず、直接乗務員に伝えることが可能となり、時間短縮、効率化が格段に上がっています。

まだサービスが完全に普及したわけではないので、都市部以外では利用できない地域もありますが、将来的には全国で利用されることでしょう。

タクシー無線室の仕事の流れとは?

無線オペレーターの実際の仕事の流れについて紹介します。

1:配車の注文を受け付ける
お客様から配車依頼の電話に応対します。現在は電話が主流ですが、メールやFAXなどでも配車の注文が来るそうです。

主に「〇〇に、来て欲しい」という注文が入りますが、「12時に〇〇に来てほしい」などの時間指定の配車予約もあります。

また忘れ物の連絡やクレーム応対なども無線オペレーターの仕事になります。

2:乗務員に情報を送る
お客様からの情報を元に、依頼を受けた場所周辺にいるタクシーをパソコンで検索します。空車の車両を見つけると、車両番号を確認し、無線で配車指示を出します。

3:配車完了
乗務員から「了解」ボタンを押されますと配車完了です。業務はこの一連の作業を繰り返します。
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無線オペレーターに向いている人

無線オペレーターに向いている人はどのような人物なのでしょうか。紹介します。

・乗務員経験がある
無線オペレーターは乗務員の経験がある人に向いています。乗務員の目線に合わして指示できるので、乗務員とのスムーズなやり取りができます。

会社によっては、乗務員がオペレーターになるケースもあるそうで、タクシー乗務員の経験がある人は、無線オペレーターに向いているといえるでしょう。

・地理が詳しい
地理に詳しい方も無線オペレーターに向いています。
例えば、電話での配車依頼で「○○町に来て下さい」と依頼があったとします。〇〇町だけだと何市になるかと迷ってしまう場合がありますが、その地域の地理に精通している方だと、スムーズに住所を把握できます。

またお客様から「住所がわからない」という相談の場合も、近くに見える建物などの目印を聞き出し、現在地を特定することも可能です。

無線オペレーターは迅速で正確な住所を聞き出さなければなりません。その地域の地理に詳しい方は無線オペレーターに向いているといえるでしょう。

・他のオペレーター業務の経験がある
無線オペレーターの業務はお客様から配車依頼を電話で受けることですので、過去にオペレーター経験がある方は無線オペレーターに向いています。

電話でのやりとりは、丁寧なコミュニケーションで正確な情報を聞き出すことを心がける必要があり、過去に電話オペレーターの経験がある方は、無線オペレーターの業務に取り組みやすいです。

・パソコンの一般的な操作ができる
無線オペレーターはお客様から伝えられた情報をパソコンに入力して配車します。パソコンの一般的な操作(タッチタイピングなど)が可能だと、すばやく、スムーズに乗務員に情報を送ることができます。

・外国語が話せる
近年、外国人観光客が日本に訪れることが多くなっています。タクシー業界でも外国語が話せる人物は重宝されているようです。

英語、中国語、韓国語といった外国語を話せたり、言葉の意味を理解できる方は無線オペレーターの仕事では活躍するでしょう。

・未経験でも大丈夫!
上記で向いている人をいくつか紹介しましたが、未経験でももちろん大丈夫です。タクシー乗務員の場合は自動車の第二種運転免許を所持していなければなりませんが、タクシー無線オペレーターは資格無しでも仕事ができます。

また、現在無線オペレーターとして活躍されている方も未経験でこの業界に入ったという方も多いです。

タクシー無線オペレーターは業務を覚えるまでは大変かと思われますが、経験を積む事で乗務員たちやお客様から信頼される無線オペレーターになれることでしょう。

無線オペレーターの今後は?

この先の無線オペレーターの仕事はどのように変化していくのでしょう。紹介します。

・将来性
無線オペレーターとしての将来性は安定とはいえないです。配車アプリなどの登場により、お客様が直接、乗務員に配車依頼することができるようになったため、無線オペレーターの仕事が奪われつつあります。

しかし、タクシー業界が消滅するわけではなく、高年齢層がスマートフォンアプリを利用することは現実的に少ないため、無線オペレーターが完全に無くなることはないでしょう。

・今後の無線オペレーター
今後、無線オペレーターに求められていくことは、サービスを向上させていくことです。

AIなどによる自動化により、効率面や正確さはシステムが補う形となるため、無線オペレーターは、人と人との繋がり方を親密にしていくことが重要です。

ただ単に、お客様の配車依頼を応えるだけでなく、気遣いや思いやりが大切になってくることでしょう。

無線オペレーターはタクシーを担う大事な存在

タクシーを運転するにはあたって無線室や無線オペレーターはなくてはならない存在です。東京日本交通グループでも様々な無線オペレーターの皆様が活躍しています。是非当社でタクシー業界のキャリアをスタートしてタクシーを担う人材に出会えることをお待ちしています。